《Occupation1DSS84(1inch=1sec.)》
《Occupation2DSS84(1inch=1sec.)》
《Occupation3(1=22.4)suit》
タイトルの一部となっている「DSS84」とはドナルド・ジャッドの作品で、幅253インチ(642.6cm)の横に細長い作品です。この作品は二つの部品から構成され、その二つを組み合わせることでできる隙間と部材の長さは音楽理論を基にした計算(交代調和級数)によって求められた値に沿わされています(ジャッドは意図的にか正しい計算とは違うやり方で計算しています)。
三つあるうちの上の二つの映像作品はその《DSS84》での部材の長さの1インチの値を1秒に置き換えて映像にしたものです。三つめ最後はジャッド流の計算ではなく、正しい交代調和級数で計算して求めた値で尺を取っています。作品の始まりと終わりはその値の尺に、映像はありませんが音と無音で対応させています。
荒川徹『ドナルド・ジャッド 風景とミニマリズム』水声社、2019年
元々は「鑑賞者が移動するたびにひとつずつ作品のフレームが変わる絵画の展示とかあったら面白そうだな」って小案から、作品のフレーム(認識もからむ物質的な物としての)と時間について考えていたときに「絵画と写真は鑑賞時にフレームが動かないのに映像は、ズームやパンニング、あるいは次の場面などフレームが動いていくし、作品の中に鑑賞者と同じ時間が流れるようだな」と気づいたことで映像に興味を持ちました。
タイトルはまた変更していくかもしれません。ホームレスの方や通行人などをはじめとして切り取ったものを使うことの意思表示が必要な気がして(リアリティの分け目というか、そんなものはいらないのかもしれませんが)ひとまずOccupationとしています。
映像に映り込んでいる方々の肖像権は侵害していないと考えていますがケースバイケースっぽいので、マズそうなら教えていただけると助かります。肖像権に関しては下記の記事やこれに関連する動画を参照して判断しました。
アートのト『Q6 テレビ番組と映り込み』
https://note.com/artnoto/n/nd3b164000f37
今はOccupation7まで制作しています。まだまだ数が足りませんが、初めての映像作品ということもあり、知人・友人に観てコメントをいただきたくページを作成しました。