今日、以前住んでいた場所の近くを通ったら、お気に入りの空き地が無くなり、そこに新築の家が建っていた。埼玉に来て四年で、雑草の茂るお気に入りだった空き地が四ヶ所なくなった。通りかかるたびに立ち止まって風が吹いて草達がざわめくのを愉しむことができなくなった。別のところでは太い梁を備えた百姓小屋が壊され整地されていた、そこにも家が建つようだ。市内でのシンボルツリーといってよいくらい存在感のある大木が二本伐採された。すぐそばにあった家は建て替えられている。
大通りの向こう、天蓋といってよいくらいくらいの大きな樹々が立って空を塞いでいた小さな公園は枯れ枝や枯れ木の伐採のためスカスカで間の抜けたような場所になった。
正月、普段歩かない川沿いを歩いて神社へ向かった。東西へと走る幹線道路、その垂直の南北に流れる川沿いの道は、街に馴染んでいる時間とは違う時間が流れていた。深く身を横たえながら歩いて「きっとお気に入りの場所も変わっていくけどそんな急にはなくなっていかないんじゃないかな」って呑気に歩いたけど、思ったより早いペースで変わっていくかもしれない。
ミニチュアみたいな家ばかり増えていく。どんどん緑と触れ合うことができなくなる。それがちょっと寂しい。